heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-071:answer

 ECG-071:当時34才の女性です。現在も、通院されています。

 小児期に、VSDを指摘され、当然ながら手術を勧められたのですが、いろいろいきさつがあって、手術しないままに、経過された患者さんです。

 心エコーを示します。Large VSDが認められます。

 (動画の上方が、右室です)

 心電図だけ見ると、先天性心疾患による右室肥大をまず疑うと思います。

 でも、胸部レントゲンを見ると、「あれっ?おかしいなあ、CHDとは別かな。。」

 と迷ってしまいます。だから、載せてみました。

 解釈は、もともと細身の女性が、Eisenmenger化によりさらに痩せており、立位心風となっております。左の肺動脈(第2弓)の拡大はあるも、他ははっきりしません。

 心電図所見としては、

◎ V1,2で、右室肥大像を示す。(LVHのV5,6と同じですね、strain-pattern風)

◎ V4-6の狭くて深いS波は、RVHのため。

◎ R/S比が、V4で等しくなるのは、右室の拡大による。

 RVHらしくないのは、

● Pulmonary-Pがはっきりしない。(これは、RVHで感度は必ずしもよくない)

● 右軸偏位がない。(これはちょっと不思議。左軸偏位の影響か??)

 心エコーにあるように、診断はゆるぎません。

 こういう症例もあることを、ご経験下さい。