ECG-071:answer
ECG-071:当時34才の女性です。現在も、通院されています。
小児期に、VSDを指摘され、当然ながら手術を勧められたのですが、いろいろいきさつがあって、手術しないままに、経過された患者さんです。
心エコーを示します。Large VSDが認められます。
(動画の上方が、右室です)
心電図だけ見ると、先天性心疾患による右室肥大をまず疑うと思います。
でも、胸部レントゲンを見ると、「あれっ?おかしいなあ、CHDとは別かな。。」
と迷ってしまいます。だから、載せてみました。
解釈は、もともと細身の女性が、Eisenmenger化によりさらに痩せており、立位心風となっております。左の肺動脈(第2弓)の拡大はあるも、他ははっきりしません。
心電図所見としては、
◎ V1,2で、右室肥大像を示す。(LVHのV5,6と同じですね、strain-pattern風)
◎ V4-6の狭くて深いS波は、RVHのため。
◎ R/S比が、V4で等しくなるのは、右室の拡大による。
RVHらしくないのは、
● Pulmonary-Pがはっきりしない。(これは、RVHで感度は必ずしもよくない)
● 右軸偏位がない。(これはちょっと不思議。左軸偏位の影響か??)
心エコーにあるように、診断はゆるぎません。
こういう症例もあることを、ご経験下さい。