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Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

【コラム】ナトリウムの急速流入:第0相


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【コラム】 学んで、納得、そして忘れるための心筋電気生理学:第0相

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 心筋細胞膜の膜電位の変化は、
4⇒0⇒1⇒2⇒3⇒4相
 と、回っていきます。今回は、第0相です。
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 細胞膜のナトリウム・チャネルが開きます。
 4相で、-80mV前後に分極を保っているおかげで、
ナトリウムは、どっと細胞内に流入することができます。
心筋の収縮が速くできる理由です。
勢い余って、細胞内電位は、陽性にまで少し振れます。
この辺の事情は、このwebsiteを見て下さい。
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 直線的に、電位は上昇していますね。
 そして、ナトリウムチャネルは、蓋をしたように、急に閉じられます。
 (ボールとチェーン仮説)
 このナトリウム流入速度を抑える(=ゆっくりする)ことで、抗不整脈薬として働かせることができます。I 群抗不整脈薬です(Vaughan Williams分類)
 でも、結果として、心筋収縮力を低下させます。心機能が正常な人はよいのですが、心機能がよい人の不整脈を、薬物で抑える必要がある例は、少ないんです。
 心不全患者は、不整脈死を含めた問題を起こします。でも、薬物で心不全患者の不整脈を抑えようとすると、心不全自体を悪化させる場合が多いのです。エビデンスとしては、経口の抗不整脈薬で、慢性心不全での不整脈治療をすることは、「余計なお世話」となっています。(一部アミオダロン等を除く)
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 0相を識ることは、こんな風に臨床の役に立つんですね。
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 あと、心筋電気生理の知識を集めるときに、神経生理の知識と、ごっちゃにしないように、気を付けて下さい。半分以上同じですけど、微妙〜に異なりますので、そこを見極めないと、頭の中が、ぐちゃぐちゃになりますので。。
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