heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

E093:answer


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093:59才男性。定期外来での心電図です。

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 SVPCがひとつ認められますが、これは今回の主題ではありません。
 (胸部誘導の3拍目です)
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 一見、なんてことはない、やや立位心様の心電図です。
 (aVR=aVL, lead I signなど)
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 電解質異常なく(K=3.8mEq/L)、ACSなし(安定定期通院)です。心電図波形も、以前とほとんど変化有りません。
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 心尖部に、Lev-IV度のregurgitant murmurと3音を聴取します。
 典型的なMRの心雑音です。
 かつて、Basedow病がひどく、Pafもあった頃には、甲状腺機能がコントロールできた後にも、MRが残れば、外科手術も考えるべきかな、と思っておりました。
 甲状腺機能が、手術と抗甲状腺薬で、安定化してからも、MR&3音は、残りました。でも、心不全は発生せず、経時的心拡大や、BNP上昇もありませんでした。左房径が、著明に拡大することもありません。でも、心雑音だけは、派手に残っています。
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 V2-4のT波が、鋭く尖って陽性です。おそらく、早期再分極(early deporalization)かと思われます。MRで、左房と左室の間では、多くの血液がキャッチボールされています。これに対応して、左室は過剰に活動しています。その反映と捉えています。MRでは、圧負荷が左室になかなか来ないので、左室肥大と云う反応は、なかなか来ません。
 心房細動化したり、左室系が大きくなり、LVEFが低下するようでは、かなり終末期的状況となります。
 MR心を、心電図で当てるのは、傍証ばっかりで、かなり困難です。この症例も、診断は聴診で可能で、さらに心エコーでその最終確認となります。
 この解釈、みなさんは、如何でしょうか?
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