ECG-100:answer
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ECG-100:75才の男性が、突然の胸痛でショック状態での搬入となりました。
まず、心電図が記録されました。救急車内での、一過性心肺停止もありました。
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◎ 洞調律で、1度房室ブロックを示す。
◎ CRBBBである。
◎ V1-5まで、著名なST低下を示している。
◎ I 誘導、aVLでもST低下有り。
◎ aVRで、STは上昇している。
◎ 右軸偏位を示す。
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この異様なST-T変化は、ACSを想起させます。
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胸部誘導のST低下は、後壁のST上昇のミラーイメージ
又は、
LMT病変により、左室全体の重篤な虚血の反映
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どちらかだと、判断します。
下後壁に壁運動が限局していれば、RCA or Lcxの病変です。
さて、責任冠動脈は、RCAなのか?Lcxなのか?
悩むのは、緊急のPCIが済んでからでよいのですが、一応考えてみると、
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☆. 徐脈である。
☆. AVブロックがある。
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ことより、責任冠動脈は、sinus-node atrery,AV-node arteryに血流分布をしやすいRCAの可能性が高いかと、思われます。
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さらに、右室の拡大=右室梗塞合併ならば、RCA確定です。
しかし、この症例では、IABPサポート下に心カテとなりました。
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RCA seg-2 99%, Lcx seg-11 99% と2枝病変でした。
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ずいぶんと派手な心電図変化は、2枝病変のためだったようです。また、1枝のみでは、ショックもなかなか説明しにくいものです。特に、LADでない場合には。この症例では、迷走神経の過緊張も、血圧低下に関与していると、思われます。
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この手の、ST低下だけど、本当は(後壁の)STEMIである心電図は、割と経験します。ACSを10例みたら、きっと1例くらい出会います。研修医の方々は、早めに慣れちゃって下さい。循環器医に、すぐ渡して下さい。体外ペーシングくらいは、スタンバイしながらね。
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