【コラム-015】本当に、RCAとLCXのACSは、心電図で区別できないのか?
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けっこう、説得力があります。理屈は、単純です。
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なるほど、III 誘導は、8時の方向から心臓を見ており、II 誘導は、4時の方向から、心臓を見ています。
RCAの虚血では、心臓の右側から栄養するので、III誘導の方が、STが上昇しやすい。LCXはその逆なので、II 誘導の方が ST 上昇を呈しやすい。
実にわかりやすい理論(理屈)です。さあ、明日から責任冠動脈は、心カテ前に鑑別できるぞ!・・でも、なんか役に立つのかな。。
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ACS(STEMI)であると分かっているならば、どうせ心カテしてしまうんですから、どっちでもよいのでは?と云う考え方もできます。
RCAとLCXの二枝病変では、どっちが主病変かわからない時に、心電図鑑別が有用かもしれません。
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では、実際に鑑別に使えるのでしょうか。
今まで、提示してきた症例で、調べてみました。
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どうでしょうか?
ちょっと、微妙な気もします。。
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正直に云いますと、けっこう役に立つ考え方だと思います。
明らかな差が出ている場合には、言い切っていいかもしれません。
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ただ、だからと云って、臨床医の行動(治療)に変容は起きないはずです。
LCXだから、RCAだから、と云って治療が異なる訳ではありませんから。
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でも、素敵な考え方ですね。
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