heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-206:answer

 90才代男性が、 呼吸苦と動悸で、ERに搬入されました。

     ERですぐに心電図が記録されました。

     Questionで、その時の自動診断システムでの判定結果を示しました。

 ** 心電計の自動判定の間違いを指摘する **

  と云う、ちょっと意地悪な問題でした。すいませんm(_ _)m。

  種明かしを先にすると、な~んだ、となりますので。

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クリックすると、ECGが拡大します。

 自動診断システムは、侮れません。当直開けの医師より、信頼できます。でも、時々、その生真面目さゆえに(=診断アルゴリズムの限界点で)、誤診することがあります。

  もう一度、搬入時心電図を、見てみます。


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  II 誘導の長時間記録を見ると、RR間隔はデタラメで、心房細動のように思えてきます。(絶対性不整は、心房細動として捉える)が、基本ですが、これは例外です。

  SVPCの多発症例なんですね。

【T波は、緩やかな曲線で構成され、ギザギザ{notch}は有りません!!】

 

  の原則で、V2誘導を見てみましょう。

の部分は、P波で同意頂けると思います。

* 部分は、T波に乗ったP’波です。矢印で示していない部分も、P’はあります。

病棟のモニター心電図を、ご覧下さい。


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の部分は、P波と同定できますね。

でも、 ━━━━━━ の部分は、Afib.の様にも見えます。SVPC多発部分です。

【 モニターだけでは、心房細動の診断は難しい 】

【 12誘導心電図でも、長めに記録して、P波の有無を確認する 】

 因みに、生理機能室の技師さん達により、この間違いは、毎日訂正が加えられます。Questionに提示した心電図も、翌日には技師さん訂正で、診断は偏向されております。


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* 上室性期外収縮(頻発) となりました。

* {判読済み}の決定が、なされた印があります。

 このように、自動診断は、技師さんと医師の協力で、日々訂正が加えられています。

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