ECG-206:answer
90才代男性が、 呼吸苦と動悸で、ERに搬入されました。
ERですぐに心電図が記録されました。
Questionで、その時の自動診断システムでの判定結果を示しました。
** 心電計の自動判定の間違いを指摘する **
と云う、ちょっと意地悪な問題でした。すいませんm(_ _)m。
種明かしを先にすると、な~んだ、となりますので。
クリックすると、ECGが拡大します。
自動診断システムは、侮れません。当直開けの医師より、信頼できます。でも、時々、その生真面目さゆえに(=診断アルゴリズムの限界点で)、誤診することがあります。
もう一度、搬入時心電図を、見てみます。
クリックすると、ECGが拡大します。
II 誘導の長時間記録を見ると、RR間隔はデタラメで、心房細動のように思えてきます。(絶対性不整は、心房細動として捉える)が、基本ですが、これは例外です。
SVPCの多発症例なんですね。
【T波は、緩やかな曲線で構成され、ギザギザ{notch}は有りません!!】
の原則で、V2誘導を見てみましょう。
* ↓の部分は、P波で同意頂けると思います。
* ▼部分は、T波に乗ったP’波です。矢印で示していない部分も、P’はあります。
病棟のモニター心電図を、ご覧下さい。
クリックすると、ECGが拡大します。
↓の部分は、P波と同定できますね。
でも、 ━━━━━━ の部分は、Afib.の様にも見えます。SVPC多発部分です。
【 モニターだけでは、心房細動の診断は難しい 】
【 12誘導心電図でも、長めに記録して、P波の有無を確認する 】
因みに、生理機能室の技師さん達により、この間違いは、毎日訂正が加えられます。Questionに提示した心電図も、翌日には技師さん訂正で、診断は偏向されております。
* 上室性期外収縮(頻発) となりました。
* {判読済み}の決定が、なされた印があります。
このように、自動診断は、技師さんと医師の協力で、日々訂正が加えられています。
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