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Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-303:answer

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Cardio2012のECGブログ@ココログより、インポートしました。

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 結論を先に述べます。

   頻脈性の発作性心房細動でした!

 

 PSVTを念頭に、ATP 10mg one shot 静注を行いました。(静注後に、生食でフラッシュを行います)

 

 ◎これで治れば、PSVT

 ◎RRが延長する事で、Atrial flutter, rapid-Afib.等の鑑別が出来る。

 

 上記のロジックで、ATPを静注しつつ、12誘導心電図記録を行いました。

 

 

 あれれれ・・・・。

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 

 

  ATP静注後に、RR延長が認められ、同時に基線部にfibrillation waveが認められました。RR間隔も、明瞭に揺らぎを見せます。ATP効果最大時は、こんなにRR間隔が延びます。(すぐに失活するから、使えるんですけどね。)

 

 

 その後、verapamilを点滴投与して、ビソノテープ(β-blocker)を貼付して心拍数を安定化させました。

 

 

 

 事前に、rapid-Afib.だと、診断出来なかったのか?

 もう一度、振り返って見ました。

 

 

 Monitor-ECG(ATP投与前)の連続記録です。

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 う~ん、よく分かりません。RR間隔が揃って見えます、私には。

 

 なお、100bpm以上となると、III,IV音の分離も困難です。聴診での判定は無理です。心エコーでも、E波とA波が重なるので、判別困難です。

 

 

 Monitor-ECG(ATP急速静注時)の連続記録です。

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 

 ATPにより、房室伝導が強く抑制されています。おかげで、心房細動波がしっかりと記録され、RR間隔の不正も明瞭となりました。

 

 

 

 Monitor-ECG(verapamil投与後)の連続記録です。

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 
 

 ワソラン(verapamil)により、房室伝導がほどよく抑制されています。誰が見ても、心房細動です。

 

 

 以前、ECG-301で、以下のように、述べました。

 

 

=頻脈性心房細動=

 これは、よく間違います。

 RRの不整は、頻脈の場合に見えがたいものです。長めの記録をしてRR不整をの有無を、見極めて下さい。

 

 

 事前によく考えたのですが、たぶんPSVTとの判定で、ATP静注となりました。やれやれ。

 除細動より、rate-controlを選択しました。

 ワソラン(verapamil)の点滴で、その場を凌ぎつつ、最終的にビソノテープ(β-blocker)での加療となっております。

 

 

narrow QRS tachycardia の鑑別は難しい 

 

narrow QRS tachycardia の鑑別には、12誘導心電図が必須です 

 

narrow QRS tachycardia の鑑別に薬剤使用は、ありです 

        →但し、ATP静注はそれなりの副作用があるので、

     バックアップがなければ、難しいです。

 

 

2015_9_27_2

 

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