ECG-280:answer
80才代男性です。インフルエンザ・肺炎での入院でした。
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Coved(コープト)型のBrugada型心電図です。
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80才まで問題が起きていないので、このまま経過観察のみです。
上記のシンプルな回答を得るための、追加情報です。
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高体温時にBrugada型心電図波形が、出現しやすいとされています。
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この症例は、以前の心電図も十数枚ありましたが、典型的なBrugada型心電図波形は記録されていませんでした。
解熱後も、右室胸部誘導(V1,2)でのST上昇はありません。
高熱時により、ナトリウムチャネルが変化して、Brugada型心電図を呈しやすくなるようです。
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J-pointでST上昇が2.0mm以上あることが、Brugada型心電図の原則です。
その後のST形態で、Coved型・Saddle back型と分類されます。
Coved型のみが、真のリスクです。とはいえ、Coved型を示す症例でも、日によって波形は変化するので、Coved型で無くても安全性を担保しません。
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その後のST形態で、Coved型・Saddle back型が決まります。
これ以上の分類は、現実的ではありませんね。
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VT,Vfのsurviverは、ICD(or SICD)の標準的適応です。
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症状がないBrugada型心電図患者、いまいち典型的でな波形の患者への治療適応は、揺らぎが大きいんです。日本と欧米は、治療適応が少し異なりますが、それらは、下記のサイトで確認して下さい。
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自然発症・薬物負荷心電図で、Coved型を呈したものをBrugada型心電図と診断される。
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それじゃ、Saddle back型心電図は、何なんだ?となりますよね。動悸・失神・CPA等からsueviveした患者さんで、重要な意味を持つんですね。これを見つけたら、Coved型心電図が出現するまで、執拗に追跡しましょう。
もっとも、すぐに不整脈専門医に紹介すべきですが。。
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後期高齢者で、偶然発見されたBrugada型心電図は、経過観察のみへ。
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Brugada症候群は、男性に多く40〜50才代までに、不整脈関連も問題が生じます。問題が生じる症例では。。
幸い、何事もなく高齢までsurviveされた方は、その後に不整脈問題を起こす可能性が低く、ICD等の適応を考えたりしません。
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今回の教訓です。
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【 高熱での入院患者は、Brugada型心電図にご注意! 】
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【 でも、無症状経過ならば、たぶん経過観察です 】
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