【 コラム-092:Wenckebach型 AV ブロック 1/2 】
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* Wenckebach型房室ブロック(別名:Mobitz-I 型房室ブロック)
→PR時間がだんだんと延長し、遂にQRSが脱落する。
→房室結節内でのAV伝導障害(が大半)。
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Wenckebach AV blockは、(Mobitz-I 型AV block)とも呼ばれるそうですが、誰もそう呼びません。聞いたことがない。
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* Wenckebach型房室ブロックは、あんまり危なくない。
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綴りに気をつけて!!よく間違います。
Wenckebach
私は、研修医の時に、よく間違えました。よろしく!
と当時書いておりましたが、
*Wenckebach でも
*Wenchebach でも
どっちでも良いようです(2020/10/31)。
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1度房室ブロックと同様に、房室結節内での伝導遅延が、Wenckebach型房室ブロックの主体です。(例外は、あるようですが、そう覚えて下さい。)
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さて、房室結節は、交感・副交感神経の支配野です。
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交感神経>>副交感神経で、房室結節の伝導は促進。
交感神経<<副交感神経で、房室結節の伝導は遅延。
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副交感神経が優位の安静時/就眠中に、Wenckebach型房室ブロックは、出現しやすい。
運動・緊張時の交感神経優位状態では、房室結節内の伝導がスムースとなり、房室伝導障害が消えます。
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一番分かりやすいのは、トレッドミル負荷時です。
ベルトの上を走り出す=交感神経優位となる=と、Wenckebach型房室ブロックは消失して洞性頻脈となります。負荷後の安静で、またブロックが出現する。
典型例は、そうなります。
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2/2では、実波形との比較です。
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