heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-068:answer

E068:AfibでのVVI-Pacingの心電図です。

Pacemakerの設定(この症例)は、

◎ Pacing-Rate = 70/min.

→RR間隔=約875msec.

◎ Hysteresisなし。

◎ Voltage=2.9V / Pulth width = 0.37msec.

◎ Unipolar

 となっております。

 正常作動しています。

 Pacemakerは、心拍数を数えている訳ではありません。

 RR間隔を、カウントダウンしています。

 (正確には、この場合右心室にあるリード先端で感知します)

 Pacing Rate = 70/min.の設定とは、RR間隔 875msec相当です。

 自発波形(or Pacing)後に、875msec.数えていきます。

 もし、この時間以内に自発波形が出ると、タイマーは巻き戻されて、

再度カウントダウン(875msec)します。

 自発波形が出ないと、Pacingを行い、タイマーがリセットします。

 これを、延々と繰り返すわけです。

 四肢誘導で、上記の概念を図示してみます。

 1,4,5拍目がPacingで、2,3,4,7拍目が自発波形ですね。

 この症例では自発波形が、CRBBB型であることに、留意して下さい。

E068

クリックすると、ECGが拡大します。

 さて、胸部誘導を見てみましょう。(下図)

 全て、Pacing波形のようで、実は違いがあります。

◎ 1,3,4,5拍目は、単純なPacing波形です。

◎ 2,4拍目は、Pacing spikeはあるも、波形が異なり、CRBBB様となります。これは、自発の調律にPacing波形の乗ってしまったものです。自前の刺激伝導系→心室興奮となり、これは、無効Pacingです。

◎ ほんのわずかな時相差で、こんなことが発生します。

◎ 自己調律の心室興奮に、Pacing spikeが乗っているだけで、危険性はありません。

E068vvipacing

 単純な心電図ですが、Pacemaker心電図の理屈を識らないと、困ってしまう例でした。