ECG-068:answer
E068:AfibでのVVI-Pacingの心電図です。
Pacemakerの設定(この症例)は、
◎ Pacing-Rate = 70/min.
→RR間隔=約875msec.
◎ Hysteresisなし。
◎ Voltage=2.9V / Pulth width = 0.37msec.
◎ Unipolar
となっております。
正常作動しています。
Pacemakerは、心拍数を数えている訳ではありません。
RR間隔を、カウントダウンしています。
(正確には、この場合右心室にあるリード先端で感知します)
Pacing Rate = 70/min.の設定とは、RR間隔 875msec相当です。
自発波形(or Pacing)後に、875msec.数えていきます。
もし、この時間以内に自発波形が出ると、タイマーは巻き戻されて、
再度カウントダウン(875msec)します。
自発波形が出ないと、Pacingを行い、タイマーがリセットします。
これを、延々と繰り返すわけです。
四肢誘導で、上記の概念を図示してみます。
1,4,5拍目がPacingで、2,3,4,7拍目が自発波形ですね。
この症例では自発波形が、CRBBB型であることに、留意して下さい。
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さて、胸部誘導を見てみましょう。(下図)
全て、Pacing波形のようで、実は違いがあります。
◎ 1,3,4,5拍目は、単純なPacing波形です。
◎ 2,4拍目は、Pacing spikeはあるも、波形が異なり、CRBBB様となります。これは、自発の調律にPacing波形の乗ってしまったものです。自前の刺激伝導系→心室興奮となり、これは、無効Pacingです。
◎ ほんのわずかな時相差で、こんなことが発生します。
◎ 自己調律の心室興奮に、Pacing spikeが乗っているだけで、危険性はありません。
単純な心電図ですが、Pacemaker心電図の理屈を識らないと、困ってしまう例でした。