heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

【コラム-037】 ST上昇を、考える(その2):基線について

**電子カルテの導入で、ブログ更新が、遅れに遅れました。やっと電カルになれつつあります。遅れて電カルに参加した代わりに、洗練されたものに出会えました。**

  基線が、まっすぐでないと、STが上昇したも、下降したも、わかりません。

 
  STの昇降は、基線に対して、述べるものだからです。
 
 基線は、何も電気的興奮のない部分=T波の終わりからP波の始まりまでの部分です。
  これを、継いだのが、基線ですね。
 

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  実際は、U波があったり、細動波/粗動波があったり、頻拍だったり、きれいに基線を継ぐことは、難しいことは、よくあります。

 

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  このように、基線部分が長すぎるのも、恐いですよね。

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  次の心電図を、見て下さい。

  なにやら、怪しげなST-T変化を示しています。

 

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 もちろん、アーチファクトです。

  記録時の基線のぶれに過ぎません。

  でも、時に悩ましく思えるときもあるんです。

 

 

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  ST-T変化は、連続記録で、基線が安定してるのを、確かめてから、判定しましょう。

 

 これは、STの上昇ですね。

  STの上昇や下降は、基線より高いか・低いか、だけです。

  誰でも、その判定はできますし、同じです。

  問題は、それに臨床的意味を与えるかどうか、なんです。

 

St

 

 でも、基線を明確に決められなくても、(誰が見ても明らかな)ST低下もあるんです。

St_2

 

 基線がぶれない心電図記録を、できるだけ心掛けましょうね!

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