ECG-168:answer
ASDの術後の患者さんでした。手術は、30年前(60才代)のことです。
短絡路閉鎖することで、胸部レントゲンや心電図が改善することは、以前ご提示しました。
http://heart2012.cocolog-nifty.com/blogkoko2012/2013/04/15/index.html
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この症例の心電図は、術後30年後のものです。
心房粗動時は、典型的なII,III,aVFののこぎり波で、診断は容易です。
洞調律時も、QRSの波形はほとんど変わりません。P波を見ても、特に右心負荷とは思えませんね。
右心系が張り出すと、PRWP(CWR)と成りやすいのですが、逆にCCWRです。右心負荷としてのV1-3のST低下もありません。
右軸偏位は、右心負荷を示す疾患ではよく認められますが、ぎりぎり+90度くらいです。これが唯一の所見ですが、立位心であれば、いくらでもあり得ます。
ST部分が平坦であるのは、低カリウムのためではありません。90才代ですから、それなりの理由が隠れているかもしれませんが。
発作性の心房粗動の出現は、右心負荷の所見かもしれません。でも、右心系疾患がなくても、この年齢ではよく出現します。
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いろいろと心電図所見を述べましたが、結局診断にはあんまり寄与していません。病歴と胸部レントゲン/胸部CT所見が、決め手です。
逆に考えると、心電図に右心負荷像が残らないくらい、術後経過がいいんだね、とは思えそうです。
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心電図所見が、あんまり役に立ちませんでした・・・なんて症例報告は、ブログだからできる芸当ですね。書籍だったら、お金返して!となりそうです(^_^)。