ECG-284:answer(1/2)
60才代男性です。胸部不快発作での搬入でした。
ER搬入一時間後(20:58)の心電図を解説します。
V3,4でのT波の増高(▼)が、明らかです。
aVL ( ↑)ではST上昇です。そのミラーイメージでしょうか、II, III, aVF (↓)でのST低下が認められます。
どこが、責任病変かは、決めにくいですね。
でも、1時間で、明らかな心電図変化が生じました。
心筋酵素の上昇が無くても、心エコーで明瞭な問題が無くても、緊急の冠動脈造影を、選択しました。
緊急の冠動脈造影図を、提示します。
対角枝の病変でした。
これが、通常見慣れない心電図変化を起こした理由だったようです。
LAD本幹の血流は保たれており、壁運動障害が、eyeball診断では、ハッキリしませんでした。まだ、心筋トロポニンも上昇する前でした。
胸部誘導の V1-6の電極配置は、対角枝の走行に沿うことがあります。
ACSを疑うけれど、解釈のしにくい心電図変化は、(対角枝病変か?)と、考えるのも、有りですね。
この後、どう対応したかは、次回に続く。
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