【コラム-013】Q波とq波のお話し
Q波とq波のお話しです。
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心電図の知識が増える頃に、妙にQ波が気になりました。
そのQ/q波が、異常を意味するのか、あんまり心配要らないのか?
ちょっとでも、Q/q波があると、ドキドキしたこともあります。
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V5,6と、II, III, aVFには、正常でもq波があり得ます。
心筋の興奮の最初は、
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◎ 水平面:心室中隔の左室側→右室側へ。
◎ 垂直面:一旦上方へ興奮が向かいます。
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図示すると、以下の様になります。
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まあ例外は、いくらでもありますけどね。
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また、異常Qの存在は、梗塞巣の大きさを表しており、貫壁性か非貫壁性(昔々の心内膜下)梗塞かの違いでは、ないことが、造影MRIの研究からわかってきています。
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Q波の定義は、
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☆ R波の1/4以上の深さ。
☆ Q波の幅が40ms以上(1.0mm以上の幅/2.5cm紙送りで)
☆ (絶対値で、0.1mV以上の深さ)
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などで、これを満たさないのが、q波となります、たぶん。
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心電図判読に慣れてくると、「Q波の定義なんか、まあどうでもいいか」
と思えるようになります。
その患者の状態(リスク・病歴・体型・症状etc.)によって、Q波の解釈は
異なっていいんだと、思います。
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* そんなに定義を、粗末にして良いのか?!?
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ものさしに、患者さんを合わせても、あんまりいいことは、ないんですね。
. ものさしは、健診などの集団を扱う時の選択基準や、学会発表時に、取り敢えず必要なんですね。臨床では、もちろんいろいろと逸脱します。心エコーなどで、補正するしか、ないんですよね。
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