ECG-217:answer(2/2)
右室梗塞では、
* 右室が障害される⇒右房から右室へ静脈潅流がなされない。
* たいてい、房室ブロックがあり、さらに循環低下する。
* よって、肺うっ血がないショック状態となる。
* 頸静脈は、怒張する。
と、臨床病態で判断されるものです。
右側胸部誘導(RV3, V4,V5)の所見で、臨床診断が変わるものでは、ありません。
では、検査上どうやって確定するのか?
もちろん、心エコーです。
◎ 右室の著明な拡大と壁運動障害を認める。
◎ 下後壁梗塞に付随するので、当然左室下後壁の壁運動障害がある。
◎ IVCの著明な拡大を認める(はずである)。
今回のように、派手な右側胸部誘導での変化があれば、素直に右室もあぶなさそうと直感できますが、現実的には心エコーと血行動態で、我々は行動を・治療を開始します。
理論上は、RCA入口部で閉塞したACSは、全て右室梗塞となるべきです。でも、血行動態まで崩れるのは、その一部だけです。
心エコー上の変化を、示します。
右心系の拡大が、経時的に改善していますが、静止画では、よくわからないですね。最後に、動画をお示しします。
(X day:ERでの心エコー図 4 chamber view)
(X+15 day:心エコー図 4 chamber view)
(X+6 monthes:心エコー図 4 chamber view)