80才代女性が、胸痛と呼吸苦で搬入でした。 Questionにおける看護記録を読めば、ACSとして対応しているのは、バレバレですね。呼吸苦で仰臥位が保持できないために、鎮静・挿管してアンギオ（DSA）室に搬入となっております。 ERでのちょい当て心エコーでは…

80才代女性です。 前日(22:40)、眠っていて突然の胸部絞扼感・胸痛が出現しました。咳き込むので家族が心配すると、すぐ良くなるよ、と様子を見ることになりました。 1時間後さらに咳込み、胸痛が続くために、日付が変わってすぐの救急搬入となっています。 …

80才代女性です。めまい→失神でした。 ジソピラミドの長期服用者で、 ◎ 2：1 AV block ◎ Complete AV block & PVC ◎ VT そして、またCAVB、VTをくり返す。 となっています。 ジソピラミドは、Vaughn Williams分類の Ia 群の抗不整脈薬です。 抗不整脈薬は、…

80才代女性です。ECG-288のその後です。 長いこと安定した管理を、診療所で受けていました。しかし、めまいが度重なるために、心電図記録となりました。 2:1 AV blockと判定しました。たぶん、Mobitz-II 型の房室ブロックです。 ジソピラミドによる伝導障害…

80才代女性です。めまいでの受診でした。 初回の心電図です。 クリックすると、ECGが拡大します。 結論は、2:1 AV blockです。 V1,2で、明瞭なP波が、T波内に認められます。 肢誘導では、イマイチ分かりませんが、これだけハッキリしたP波があれば、 AV bloc…

80才代女性です。 長いこと安定した管理を、診療所で受けていました。しかし、めまいが度重なるために、心電図記録となりました。 Question(1/2)：初回の心電図診断です。 心電図診断をして下さい。後、何が知りたいですか？ クリックすると、ECGが拡大しま…

典型例の Wenckebach AV block では、PR 間隔が次第に延長しながら、ついにQRSが脱落する、をくり返します。Wenckebach周期です。3～5心拍毎が多いですね。 クリックして、ECGが拡大させましょう。 なお、Wenckebach周期が、ずっと続くことは少ないんです。…

. . ＊ Wenckebach型房室ブロック（別名:Mobitz-I 型房室ブロック） →PR時間がだんだんと延長し、遂にQRSが脱落する。 →房室結節内でのAV伝導障害（が大半）。 . . Wenckebach AV blockは、(Mobitz-I 型AV block)とも呼ばれるそうですが、誰もそう呼びません…

シンプルな問題です。 Wenckebach AV block です。 . . ＊ PR時間が徐々に延長し、QRSが脱落します。 ＊ その後、何事もなかったように、PR時間は短縮し=QRSが復活です。 ＊ これを、くり返す。(Wenckebach周期) ＊ この不整脈を、特に問題視しない。 . . ク…

50才代男性です。循環器とは、関係ない疾患での入院でした。 入院時心電図を、提示します。 Question：入院時の心電図診断です。リズムの診断をお願いします。 (肢誘導です) クリックすると、ECGが拡大します。 (胸部誘導です) クリックすると、ECGが拡大し…

80才代の女性で、収縮期雑音を呈していました。 心雑音のみで、AS(大動脈弁狭窄症)を、強く疑いますね。超高齢者の動脈硬化性ASの場合には、毎年0.1cm2くらいづつ弁口面積が減少するようです。弁口面積が1.0cm2以下でASの症状は始まるので、数年でかなり危な…

80才代後半の女性です。 静かな生活を、なさっています。歩行器歩行くらいまでなので、さほど負荷はかかりません。 収縮期雑音が、以前より聴取されます。図示します。 . . クリックすると、拡大します。 . . 明らかな不整脈発作・心不全発作は、認めており…

70才代男性です。 転倒・打撲での、搬入でした。頻呼吸・酸素化不良もあり、肺炎としての加療も考えましたが、 . . ◎ 気になる冷汗、滝のような発汗。 ◎ 酸素化の悪化。Sickな見た目。 ◎ トロポニン値の経時的上昇。 . . 循環器科医師の Callとなりました。 …

70才代男性です。 転倒・打撲でのER搬入でした。トイレで足がもつれたと云われています。意識消失は、無かったようです。（ご本人の言です。） 冷汗有り。酸素化(SpO2)不良でした。ちょっと、息苦しそう。。咳嗽有り。 救急車内で、SpO2=87%(Ra)。マスク5L/m…

60才代男性です。胸部不快発作での搬入でした。 Diagonal branch（D1）のACSです。 PCIを選択しました。 その前後の心電図を、時系列で表示します。 クリックすると、ECGが拡大します。 血液検査結果の時系列表です。 CPK値は正常値の二倍程度ですが、トロポ…

60才代男性です。胸部不快発作での搬入でした。 ＥＲ搬入一時間後(20:58)の心電図を解説します。 クリックすると、ECGが拡大します。 V3,4でのＴ波の増高(▼)が、明らかです。 aVL ( ↑)ではＳＴ上昇です。そのミラーイメージでしょうか、II, III, aVF (↓)での…

60才代男性です。 . リウマチ性筋痛症の治療中でした。自立しておりますが、お酒は大好きです。アルコール症ではなく、ノンベさんです。 断続的に続く、胸部不快感で、夕方ERを受診しています。 . . (まず、3年前の心電図です。安定期です。) . クリックする…

70才代男性です。ACSでの搬入でした。 . II, III, aVF でのST上昇と、I, aVLでのST低下で、ＡＣＳは確定ですね。 P波が、不安定ですが、今回の主目的ではないので、AV-block追求は省略。 . ↑は、ST上昇。虚血部位の主体。 ↓は、ミラーイメージとしてのST低下…

70才代男性です。 . パーキンソン病あるも、在宅でなんとか自立していました。急に立てなくなってのＥＲ搬入です ACSとして、ＰＣＩ(RCA)を施行しました。Door to Balloon timeは、90分以内です。 で、その後のＩＣＵ管理中に、次のような不整脈が出現しま…

【 第１度房室ブロックの定義 】 単純に、PR時間が延長したもの。0.20秒以上。 第１度房室ブロックのみでは、疾病として扱う必要はありません。何も困らないからです。 副交感神経が緊張すると、PR間隔は延長します。スポーツ心でも安静時は、延長し得ます。…

81才代女性です。徐脈と失神でした。 . 突然の徐脈を見た場合、P波の確認を行います。 今回は、P wave があります。洞停止・徐脈性心房細動は、除外されます。 . 次は、P波とQRSの関係性です。 P波は安定しており、QRSは 2:1で、P波とQRSは繋がっています。 …

81才代女性です。 . 車椅子を使うことが多いのですが、のんびりとお暮らしでした。突然、バタンと倒れて、救急車での搬入となりました。施設の看護師が、徐脈を確認しました。意識はすぐに回復しております。 . . Question：入院時の心電図を提示します。心…

80才代男性です。インフルエンザ・肺炎での入院でした。 . Coved(コープト)型のBrugada型心電図です。 . 80才まで問題が起きていないので、このまま経過観察のみです。 上記のシンプルな回答を得るための、追加情報です。 . . 高体温時にBrugada型心電図波形…

80才代男性です。 季節外れのインフルエンザでした。流行期が過ぎつつあるのに、罹患する患者さんいますよね。基本的には、在宅管理ですが、肺炎合併/ハイリスクの基礎疾患(この方はCOPD)があれば、入院個室管理となります。 頻呼吸・脱水状態・39.8℃の熱発…

80才代女性です。胸部不快発作を病棟で起こしました。 ◯ V1-3のQS patternは、9カ月前の心電図と著変有りません。 ◯ 広範囲のST上昇を示します。 →但し、V1は上昇していない。 →全誘導でのST上昇でもない。けれど、心外膜炎除外しきれない。 ◯ 心房細動のま…

80才代女性です。 本日は、内科外来で30人以上の患者さんを診る日です。 頑張るぞー、と気分を鼓舞しつつ、外来前に病棟に寄りました。 「先生、Nさんがさっきから、胸苦しいと云われ始めたんですよ。」 ＝肺炎で10日前に入院し、もうすぐ退院予定でした＝ …

70才代男性。胸部不快発作でした。 下壁のＡＣＳです。異論はない、と存じます。 クリックすると、ECGが拡大します。 ◯ II, III, aVF で、ST上昇です。 ◯ I, aVL のST低下は、上記のミラーイメージです。 ◯ II＜III としてのＳＴ上昇です。 普通は、右冠動…

70才代男性です。 胸痛での受診です。 診断は、アレしかないですよね。 V789，及び右側胸部誘導を添えます。 病変を、想像してみて下さい。 【 既往歴 】 陳旧性前壁中隔心筋梗塞。 2型糖尿病。 Question：心電図診断/病変予想を、お願いします。 クリックす…

ECG-277：answer =2020/9/6に一部訂正しております= WQRSTの鑑別診断です。 (WQRST : Wide QRS Tachycardia) 「胸やお腹が、気持ちが悪い」と、云われています。意識は清明です。80代の男性です。頻脈です。 頻脈です。(pulse=164bpm.) クリックすると、ECG…

80才代男性です。 腹痛と吐き気での受診です。意識は、清明でした。 結局、理学所見・腹部ＣＴでの著変無く、腹痛は自然寛解しました。 それを、前提に心電図を見て下さい。 ＥＲ医師は、ＡＣＳを否定出来ず、循環器医師をcallしております。ＳＴ上昇してい…